B意見交換「ねらいと活用の仕方」

(川北氏)

午前のワークをどう活かしていきたいか?気になるカードがあったか?

(渡邊文喜議員)

「地方議員は政治家ではなく、職業ボランティアとして政治にたずさわるべきだ」という記事を読み、立候補をした。議会中は、必ず一般質問をし、議会だよりを発行するなどして、市民の方とキャッチボールをしている。
 しかし、後援会の人だけとしか会話ができないマイナス面があるので、今日のような手法で、市民意見を吸い上げる機会があればいいと思った。

(川北氏)

アメリカでは、大学で初当選の議員を対象に、法律や地域住民のコミュニケーションのとり方などの研修を実施している。自分の中にあるテーマを実現していくために、議員が研修を積めるシステムがあるのは魅力的。初当選の議員の皆さんで、党派を超え、同テーマについて集中的に勉強することがあるといい。

(渡邊文喜議員)

「平成市議の会」というものが愛媛にはあり、テーマ討論がある。コミュニケーションをとる方法としては、議会便りを郵送せず、手渡ししお話をさせてもらっている。

(松田敏彦議員)

 市民の中に足を置きながらも、どっぷりつかることなく市民をリードしていきたいと思っている。広い視野を持ち、今治市全体のことを考えて、市民に「No」も言える市議になりたい。そんな気持ちで取り組んでいる中で、今日のような手法は活かせると思った。
 「西部丘陵公園造成」に関して、利用してくれないものを作っても意味がないと思う。1回決まったから変更できないのではなく、変更も可能な中でいいものをつくりたい。

(渡邊文喜議員)

 「西部丘陵公園造成」については、「トレーニングコースの設置」を提案した。また、住民の方から「幼児用の公園が欲しい」との意見が多いので、それは将来「冒険ゾーン」という形でできるとの約束をもらった。利用する人がいいと思う公園なら、必要だと思う。

(越智柳一議員)

 「西部丘陵公園造成」だが、計画を見たとき、コンサルティング会社が描き、市民のニーズにあっていないと思った。先ほど意見があったが、今治市全体を見渡すと、幼児用の施設はたくさんある。それよりは、行動範囲の狭い中・高校生のための施設がいると思っている。車の通る道が横切っているなど、何事だと感じる部分がある。安心・安全な公園になっていないと感じている。

(川北氏)

 ニューヨークにある「セントラルパーク」は都市計画上の問題点が多い。車も馬車も横切っている。設計当初、都市計画の概念はなかったようだ。でも、市民に愛され、使われている。長期ビジョンと車のアクセスから考えたゾーンの設置があるのではないか。
 ショッピングモールにも、たくさんヒントがある。何でも付け過ぎの公園より、居心地のよさがそこにはあり、リピーターも多い。
 実行が決まり、どう実現するかを考えるべき段階では、「話し合い」をしていても意味がない。来年3月に開催される「愛知万博」は、実行が決まった後、市民目線・子ども目線で見た立体図面を用意し、市民も交えて、線を引き合った。
 今治でも、造成の現場を市民が見に行き空間感覚を持ってもらった後、図面の引き合いをやるべきではないか。

(越智柳一議員)

 議会は数の理論があり、なかなか難しいと思っている。また、「声がなければ問題なし」の行政体質で、かつ声が出にくい地域で説明会をやるなど、落胆もした。
 とにかく、市民には声を出して欲しいと思う。自分も困っていることは分からない。行政に関心を持ってもらうために、市民の皆さんへ報告会の実施をしたり、西部丘陵公園を見に行ったりもしている。
 
合併の問題は、やり方には反対だが、言えない状況で議会が進んでいると思う。

(井村雄三郎議員)

 「若年労働者の流出」「子育て」「女性の有給休暇」の問題などに関心がある。少子高齢化が進む関前村の議員だが、地元に若者をいかに残すか、地域にいかに誇りを持ってもらうかが課題である。親や近所の大人の背中を見て子どもは育つので、住民一人一人が自覚して欲しい。
 市町村合併の説明会をしても、住民は何を質問していいのか分からない。行政は、事前に情報を流し、今日のような形式で市民が意見交換するのがいいと思う。
 行政は単年度主義だが、ものづくりなどにはもっと時間をかけるべきだと感じている。また、議会では予算の支出の説明はするが、交付税の内訳など収入の説明はほとんどなく、適切に配分されているとは思えない。とにかく、透明性を高め、住民に情報を公開する中で、決算への検証や箱物への評価もやっていくべきだと思っている。過去の反省をふまえ、次に活かしていきたい。

(羽藤謙司議員)

 住民の方が周りにいて、議員が自主的に勉強されている姿を見て、菊間町では想像がつかないなあというのが率直な感想。
 議員になってから勉強しようと思い、議員になった。気づいたことから活動していこうと思っている。
 今日のワークでは、カードによって行政・企業・市民の役割分担が出されていたが、このバランスが財政紛糾している中で大事なことだと思う。自分も1週間のうち1日はボランティアをするようにしている。
 福祉、教育は大事だが、これを支えるのは基盤の強い産業だと思う。菊間は瓦が主要な産業である。不景気な今では、公共の箱物ができたら“菊間瓦”となっており、それには疑問を感じている。
 菊間は電波事業が悪い。電波も公共性の高いもの。合併後は、情報を得るという意味でも全今治市の電波事業が同じようになってもらいたい。

(植田勝博議員)

 反体勢力の運動の中、議員になった。行政には住民参加を日ごろ呼びかけているが、今日の会に出て、「私自身もやっていなかった」と思った。
 「新都市開発」については、市民のかなりの人が反対だが、土地を購入し、事業に着手している今では、これをとめるのは非常に難しい。平成10年に計画を聞き、反対したが、その時は、他の議員は全員賛成で、一人で反対するのは難しかった。
 議員の仕事は、計画段階で市民と一緒に考えていくことだと思う。危機感を持ち、アンテナをはり、情報をキャッチしたい。市民の皆さんにも勉強してもらいたい。

山形県鶴岡市は、まちに慶応大学を誘致した。慶応大学には、バイオ技術を研究する教授がおり、21世紀はバイオだと決断したからだ。もともと、この地域は大変優秀な人材が育つ地域で、これまでは機械工業で有名なまちだった。この決断の背景は、量産の体制は他の国でも可能だが、優秀な研究者を育てる環境があるのは(周辺に製薬会社の研究施設が多数ある)、我がまちしかないというところだろう。上手くいくとの保障はないが、地元は支持している。

議員の皆さんや市民が今、考えるべきことは、数万人単位の雇用をどうするかだ。
 新今治市の人口18万のうち、労働人口 はおよそ9万人と推定される。公的セクターや商店街などで働く人が4割いるとすると、それを除いた約6割、5万5千人の方は、全国で勝負できるビジネスで雇用しなければならない。全国で勝負できる人たちを雇用し続けるということを、どう確保していけばいいのだろうか?例えば、まちそのものの競争力をつけていく戦略が、新都市に果たしてあるのか?また、有機農業が重要だというときに、有機農業における先駆的なマーケティング実験がここででき、県内外への波及効果が期待できるか?

合併特例債は、21世紀の前半をどのようなもので乗り切るかを考えるために投資するべき資金だ。有意義に活用されていない現状には落胆する。

 本日ご参加の議員の皆さんは、21世紀、まちが競争力を持つために、今、何をしないといけないと考えられているだろうか?

(川北氏)

動き出した事業を変更したり、止めたりすることは10年前ほど難しくない。例えば、群馬県太田市の清水市長は、20階建てビル建設計画を8階建てビルに変更し、また市民の参加についても具体的に取り組んでいる。しかし、市長が言い出したからこれらは動いているわけで、そのまちの議員はそれに従っているのが現状だ。

大事なことは、議員の皆さんが、少し先の問題について、どのくらい日常の時間を割いているかだ。少し先のことを棚卸しし、そのために今どんな準備をしておかないといけないかを考えて欲しい。例えば、2010年に大学を卒業する子ども達は、どれくらい中国語や英語ができていないといけないかということを考えて、文部科学省はカリキュラムの検討している。しかし、地域通達が下りてきた時、地方の教育委員会の人はあまりそのようなことを考えていない。

2010年のまちの競争力をどうつくるかという議論は、本来は地元でないとできない。議員の皆さん、それをサポートする後援会の皆さんは、目先の事に拘泥されてしまっているが、それは行政のペースにのってしまっていることに他ならないと思って欲しい。

「どんな人にきてもらって、どんな人に育ってもらって、何が売り物で…」
 今治市という一つの会社、一つの商品を、2010年、2020年に向かってどうマーケティングするかというのは、議員の仕事だ。今進んでいる公共事業は、2010年、2020年に、今治市がこういう強さを持って欲しいからだと説明できなければやるべきでない。

HP
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