※このページは日本NPOセンター発行の、「知っておきたいNPOのこと」より引用し、作成しています。

の頭文字「N・P・O」をとった略語です。
日本語に訳すと「非営利団体」となります。政府や自治体も「非営利団体」といえますが、NPOには 含みません。そのポイントは、次の4つです。
①民間・・・
政府の支配に属さないこと。
②公益・・・
社会全体のために活動すること。
③非営利・・・
利益を上げてはいけないという意味ではなく、利益が上がっても構成員に分配せず、団体の活動目的を達成するための費用に充てること。
④組織・・・
責任のある体制で継続的に存在する集団のこと。
利益を得て配当することを目的と吸う組織である企業に対し、
NPOは社会的な使命を達成することを目的とした組織であるといえます。

の頭文字「N・G・O」をとった略語です。
日本語に訳すと「非政府団体」となります。
NPOは「営利を目的としない」ことを強調している言葉ですが、NGOは「政府ではない」ことを強調した言葉になります。
またNGOも、営利を目的とした団体ではありません。

NGOとは、国際連合をはじめとする国際会議などで、民間団体をさすときの名称として使われ始めました。
「NPO」と「NGO」は、言葉的な意味合いでは大きな違いはないといえますが、 言葉が登場した背景の違いから使い分けられている場合が多くなっています。
特に日本では、国際的な活動を行う団体をNGOと呼ぶ傾向があります。
ある社会的なサービスを政府や自治体が行おうとすると、広く・多くの人の了解が必要です。
また企業であれば、利益が上がる見込みのないサービスを提供することは考えにくいものです。
NPOとは、こうした政府・自治体や企業では扱いにくいニーズに対応する活動を自発的に行う組織です。

一方、制度の改革に取り組むなど、社会的な問題を解決するために活動する団体もあります。
また昔遊びを伝承する団体、演劇を鑑賞する団体など、楽しいことや快いことを分かち合う団体もたくさんあります。
こうした活動も、NPOの重要な社会的な役割として欠かせないものです。
平成10年に制定された特定非営利活動促進法が、NPO法と略称で呼ばれているため、 NPOはNPO法人格を取得した団体(特定非営利活動法人、通称NPO法人)のことだと思われる方も 多いようです。

しかし一般にNPOという場合は、こうした狭い意味ではなく、法人格の有無や種類(NPO法人、社団法人、財団法人、 社会福祉法人、協同組合など。場合によっては非営利の活動を行う営利法人も含む)を問わず、 民間の立場で社会的なサービスを提供したり、社会問題を解決したりするために活動する団体を指します。

NPOのうち、特に市民によって支えられているものを「市民活動団体」ということもあります。
また、組織に関わる人のほとんどがボランティアで構成されている団体を「ボランティア団体」ということもあります。
ボランティアは個人の思いを、NPOは組織の社会的な役割を意識した言葉です。
ボランティア活動は、よりよい社会づくりのために個人が自ら進んで行う、金銭的な見返りを求めない活動ということが できます。

労働の対価を求めない代わりに、活動に関わる個人の自発性に重点が置かれます。
個人単独で行われることもありますが、 グループで行うもの、あるいはNPOや行政と関わって行うものなどがあります。

「ボランティア」が個人のスタンスを表す言葉であるのに対し、 「NPO」は組織のスタンスを示す言葉でありといえます。
社会的使命の達成のために活動をする組織であり、 政府や企業とは異なった立場から社会的なサービスを提供し、社会的な課題の解決を目指すものです。
NPOとボランティアの関係は、組織と個人という観点から、企業とそこに勤める従業員の関係に近いといえるかもしれません。
しかし、NPおにはボランティアという無報酬で関わる人がいるという点で、企業とは大きく異なっています。

NPOにとっては、組織の運営にボランティアとして関わる理事や監事などの存在も欠かせません。
NPOには、ボランティアだけで活動しているものもあれば、 日常的には全くボランティアのいないものもあります。
NPOの数や活動の実態は、なかなか把握できないのが現状です。
その理由は、NPOという言葉の示す範囲が人によって異なるからです。
活動分野、法人種別、団体の財政規模など、NPOを示す指標はさまざまです。
また、多くのNPOは法人格を持たない任意団体として活動しているケースが多いのが現状です。

2000年11月の経済企画庁(現・内閣府)の調査では、市民活動団体(NPO法人と任意団体)は 全国に88,000団体あると発表されています。
NPO法人の数は、2005年2月末で約22,000団体あります。
社団法人と財団法人を合わせると約25,000団体です。
ただしこれらの数字はあくまでもNPOの一部の数を示すもので、全てのNPOの数を示すものではありません。

※内閣府のホームページでは、各所轄庁に認証されたNPO法人数や認証申請数を公開しています。
地域の高齢者のために食事をつくって届ける、里山を守り育てその活用を図る、町並みを保存する、
地雷撤去・撤廃に取り組む、子どもの虐待を防ぐなど、NPOの活動をさまざまにあります。
活動の範囲は、特定の地域に限定したものから、全国、海外に及ぶものなど、団体によってさまざまです。

NPO法人に限っていえば、特定非営利活動が17分野に限定されていて、その種類を定款に記すことになっているため、
全国的な統計が取れるようになりました。
日本のNPO活動の実態を知る上で、指標の一つとなっています。
ただしNPO活動には、特定非営利活動だけでは表現しきれない多用な活動もあります。
必ずしも全ての団体に法人格が必要とは限りません。
ただし団体が法人となれば、法的・社会的な位置づけが明確になり、代表者個人でなく団体として契約が出来、
委託の主体となることも出来て、体外的な信用はつくりやすくなります。
その反面、規則に従った届出や報告の手間と法人としての税務が生じます。

規模の小さい団体は、事務量の増加を考慮しながら、団体の目的達成手段としてのメリット・デメリットを整理して
検討した方がよいと思われます。
法人になるメリットがあるかどうかは、その団体の性格によります。
団体が活動を続けていく中で、事務所を借りる、不動産を所有する、電話を引くなど、 契約が必要になることがあります。
任意団体ではその代表者などの個人が契約することになりますが、 団体が法人格を持っていれば法人として契約できます。

例えば任意団体の場合、代表者がなくなったら、団体のために個人名で開設した銀行口座の預金が個人の所有とみなされ、 相続税を課せられるようなこともあります。
そのほかにも、団体は契約主体になれないことによって、代表者個人にさまざまな責任がかかることもあります。

また、行政や企業などから委託事業を受ける場合に、法人であることが条件となることもあります。
法人となることによって、組織体として社会的な信用が得られるといえるでしょう。


NPO法が出来たことによって、このような問題は解決できるようになったといえます。
今後、NPO法人が活動実績をあげ、情報公開をきちんと行うことによって、社会的な評価があがることが期待されます。
しかし、法人格の取得に伴う義務や各種の手続きが負担となる団体は、 任意団体のまま自由に活動を続けていくことがよいこともあります。
また金融機関から事業資金の融資を受けるには、株式会社や有限会社などの営利法人のほうが受けやすい
ということもあります。

まず法人が必要か否か、必要な場合にはどの法人を取得することが適切かについて、 団体内で十分に話し合うことが必要です。
NPO法人の取得はその選択肢の一つに過ぎないのです。
正式な名称を「特定非営利活動促進法」といい、民法34条(社団法人や財団法人などの公益法人を規定)の特別法として 1998年3月に成立し、同年12月に施行されました。

特定非営利活動を行うことを主たる目的とした団体に、所轄庁の認証によってNPO法人(正式には特定非営利活動法人) という法人格を付与するのが、主な内容です。
その後2002年12月に改正され、特定非営利活動の分野が12から17に増えるとともに、 法人申請手続きが少し簡略化されました。
改正法は2003年5月から施行されています。
これまで営利を目的としない団体が法人格を持つ場合には、民法34条に定められた社団法人や財団法人などの 公益法人になるのが一般的でした。
しかし公益法人になるには、その活動内容が主務官庁の縦割りによって制限され、 また財産などの設立要件が厳しいため、多くの市民活動団体が利用するにはふさわしくありませんでした。
そこで営利を目的としないことをはっきりさせ、しかも官庁による制約を出来るだけ排除した自由度の高い 非営利法人制度を求める声が高まってきました。

このような背景の下、1995年の阪神・淡路大震災の後、国会議員や市民団体が協力して立法活動が具体化し、 NPO法が実現しました。
NPO法のもともとの名称は市民活動促進法といい、実際にこの名称で一度は衆議院を通過したのですが、 参議院での議論の中で現在の特定非営利活動促進法という名称にかわりました。
しかし法自体は、市民活動団体が活用することを想定した内容になっています。
法人格は団体が組織として不動産などの資産を保有したり、行政や企業などの法人と契約をしたりするときに 必要になるものです。
法人格のない任意団体のままでも、資産を保有し契約を結ぶことは可能ですが、 その場合は代表個人の名で行うことになり、代表者に大きな負担がかかったり、 代表者が交代するときに不便が生じたりします。
ですからそのような団体は法人格を持つ方がよいでしょう。
しかし現在も将来もそのようなことを必要としない団体には、法人格は必要ありません。

法人化する場合も、NPO法人だけに限らず、色々な法人格の選択肢が考えられます。
一定の資本金があり非営利ということにこだわらなければ、株式会社や有限会社のような形もあります。
厳しい要件を満たしていて主務官庁の監督にもなじみやすければ、社団法人や財団法人になることも可能です。
社会福祉法人、学校法人、医療法人、生活協同組合、中間法人などの含めて、 それぞれの特徴を考えながら、その団体にとってもっともふさわしい法人格を検討するとよいでしょう。
NPO法人になれる団体は、下で紹介する「特定非営利活動ってなに?」の特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、 次の要件を満たす必要があります。

①営利を目的としないこと。
  (利益が上がってもそれを構成員で分配せず、また解散時にはその財産を国などに寄付する)

②社員(総会で議決権をもつ正会員のこと)の資格の得喪(入会・退会すること)に関して、
  不当な条件を付さないこと。

③10人以上の社員がいること。

④役員として3人以上の理事と1人以上の監事がいること。

⑤役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること。

⑥宗教活動や政治活動を主たる目的にしないこと。

⑦特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと。

⑧暴力団でないこと、暴力又は暴力団員の統制の下にある団体でないこと。
特定非営利活動とは次の17分野の活動を言います。


1.保健・医療又は福祉の増進を図る活動

2.社会教育の推進を図る活動

3.まちづくりの推進を図る活動

4.学術・文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動

5.環境の保全を図る活動

6.災害救援活動

7.地域安全活動

8.人権の擁護又は平和の推進を図る活動

9.国際協力の活動

10.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動

11.子どもの健全育成を図る活動

12.情報社会の発展を図る活動

13.科学技術の振興を図る活動

14.経済活動の活性化を図る活動

15.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動

16.消費者の保護を図る活動

17.これらの活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言、援助の活動