Dまとめ つづき

●知った者の責任

●あなたはどう関わるか?

開発の現状、山の形状変化を知った。伝えたり、共有したりして、より良い案にするために提案する責任がある。反対の人は反対の立場で、賛成の人は賛成の立場で、次の関わりをできるだけ早く決めていただきたい。

―今日の質問へのヒント―

★「バス⇒採算は?」

 バスの路線はスタートから5〜10年経つと、売り上げは当初計画の約6割になり、値段は約3割上がる。日中も利用されると想定していることが一番の原因。公共交通は、朝晩だけで稼動させるのも一つの方法だ。

(事例5)三重県四日市市

NPOが市営バスを譲り受け、運営しているケースがある。日中も運営しているが、事前に地域の人達のニーズを確認し、ニーズに合わせてバスを走らせている。しかし、赤字だ(月間100万円の維持費、売り上げ10万、市の補助金30万、残り60万は寄附と企業のスポンサー収入)。10万円しか収入のない路線を、残り90万をかき集め、運営する市民団体があるのだ。公共交通をどうデザインするかとはこのようなことをさす。

★「大学⇒どの専門分野」

開発の立地(丘)上、平坦な土地に向く理系は難しい。文系で高い専門性を持つ大学院や最近注目されている、或いは将来的に注目されそうな領域の学部がターゲットだろう。

(事例6)大分県別府市立命館アジア太平洋大学

山の上に位置し、学生の半数は留学生。個性のある大学づくりに地域が盛り上がっている。「温泉経営集中コース」などをつくり、別府や湯布院の成功の秘訣を実習できる仕組みを模索している。

今治市に置き換えると、繊維業者の方を先生に「アジア繊維業経営学講座」のある大学院ということになるか…。この地域のポテンシャルと大学の個性を結ぶことを提案する。

参加者の皆さんからたくさんの質問が出されました。現地か ら戻った時は、図面を見ていた時とは違う雰囲気の中で学習 をすすめることができ、大変有意義でした。「まだ分からな いこと」が多々あること、「今治西部丘陵公園」は担当課が 違うこともあり、質疑ができなかったことで、皆さんの質問 に対する充足度は5割ほどだと思われます。しかし、「分か ったこと」は是非、皆さんの責任で多くの人に伝えていただ きたいと思います。

今後、今日得た空間感覚の中で、市民一人ひとりがどう関わ っていくかを考えていかなければならないと感じています。

(事例7)山形県鶴岡市慶応義塾大学分校

市が200億を負担し、IT主導型バイオサイエンスの学部と大学院を誘致。倍率8倍、全国各地から入学者が来る。パイオニア、NECなどが工場を戻すこの地域は、起業しやすい場所。ベンチャー企業などの受け入れ環境が整っていることも大きなポイントと言える。

★「宅地⇒住み続ける魅力?」

 「陽だまりの丘」は南向きの斜面で、見晴らしもよく魅力的。しかし、何かの機能との組み合わせを考えなければ、住み続ける魅力にはならない。

500億の投資をする事業。そのうち、市民の投資は188億。この投資を活かしていくために、真剣に事例集めをし、それが地域に合うかどうかという確認とテストをやってもらいたい。これだけ大規模な事業は、日本では最後の事例となる。実験ではなく、完成形を求められている。この1年間を有効につかっていただきたい。
HP
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